10月31日(水) 気になる長浜名所を探訪
BBC「ぐるっとびわ湖環状線」のロケは秋晴れのもと長浜へ。今回は僕が長浜を訪れる度に気にはなっていたけど、これまで行けなかった場所を訪ねることにする。 まずは長浜鉄道スクエアの真向かいにある慶雲館へ。冬は盆梅展で多くの人が訪れるこの場所を、ゆっくり初めて観ることに。ここは明治20年に、天皇が長浜へ立ち寄られたときの休憩所として建築された建物。地元の名士・浅見又蔵が資財を投じて完成させたもので、 2000坪の敷地に総檜造りの木造2階建てだ。まず玄関をはいり大広間に向かう。ここがあの盆梅展の会場になってるところで、期間中は毎年大勢の人で賑わう。この場所、ニュースで見たことありますわ。そして庭園もすばらしい。あの平安神宮の神苑も手がけた名工・小川治兵衛の作。中央に涸れ池を配し、周りは大きな岩と高低差のある芝生でダイナミックな景観に仕上がっている。これゴルフコースやったらむずかしいアンジュレーションやろねえ。 2階に上がれば、盆梅展にちなんで梅型の電灯が とても可愛い。そして奥には、明治天皇・皇后両陛下が休憩された椅子を御簾越し見ることもできる。この2階からは庭園の向こうに琵琶湖や湖北の山々まで臨めるのだ(この日はモヤがかって残念ながら視界やや不良だった)。ここをゆっくり見たい方は年内公開は12月2日まで。盆梅展は来年1月10日から始まります。 次に駅前商店街にある「茶しん」というお店へ。ここホンマに通るたびに気になってたんですわ。名物:ホワイト餃子っていったい何ですのん?餃子はみんな皮は白いがなと突っ込んでたら、答えがわかった。満州にいる白(ハク)さんから教わったレシピなので、白さんに敬意を表してホワイト餃子と名づけたらしい。中国の人の名前からきてたんやねえ。でてきた餃子は俵型で大きい(写真ピンボケですんません)。油で揚げてあるので、キツネ色になっている。これをラー油7に酢醤油3 という割合でつくったタレでいただく。皮はモチモチ、中は野菜たっぷりで旨いじゃ あーりませんか。これで10ケ 400円は安いしボリュームたっぷり。そして もうひとつの名物がイタリアン焼きそばだ。普通のソース焼きそばの上に、特製のミートソースがトッピングされているのだが これまたクセになる味なんよね。いやあ この店は究極のB級グルメがいっぱいだ。 そして、ホワイト餃子の店のすぐ近くにある この建物もずっと気になっていた。その名は長浜タワーというらしい。3階建てのビルの上に展望室のようなものもあり、そこから怪しげな電波が出ていそうなタワーが伸びる。一階は居酒屋・おでん屋がはいり、それより上はオーナーの奥様が住んでいるらしい。見学は不可。このタワーを建てたご主人は亡くなっているので その目的や意図は計り知れないが、なんとも奇妙な建物である。ちなみに赤い字で書かれた「NAGAHAMA TOWER BILL」なのだが、ビルのスペルはちがうやろ。BILLなら領収書っていう意味になりまっせ!
10月30日(火) 単館上映館で秀作に出遭う
いやあ久々に観た、感動した中国映画の初恋物語だ。おそらく99年に封切られたチャン・イーモウ監督の「初恋のきた道」以来だろうか。今日から京都みなみ会館で上映が始まった「雲南の少女 ルオマの初恋」を観賞した。チベットにも近い高地にひろがる中国・雲南省。ここで暮す少数民族・ハニ族の17歳の少女ルオマがヒロインだ。両親がいない彼女は、おばあちゃんと二人で静かな村に住んでいる。ルオマは街まで乗り合いバスに乗って 毎日焼きとうもろこしを露天で売り生計をたてているが、さっぱり売れない。そんな時に出会うのが漢民族の男性カメラマン・アミン。ここから二人の淡い恋物語はスタートしていく。 とにかく山頂から延々と続く世界遺産の棚田が実に美しい。また主人公ルオマは、監督が現地で1500人の中から選出したフレッシュ・キャスト。本人には台本を渡さず、シーン毎に説明し撮影していったという。この素朴な演技は、原田知世のデビュー時を思い起こさせてくれる。そのほか男優アミン以外は、すべて現地のハニ族が出演しているという。青々とはてしなく続く大地で少女の純真無垢な初恋が淡々とみずみずしく描かれており、こころ洗われる90分の小品に仕上がっている。シネコンでロードショーもいいが、単館で出遭うこんな作品も嬉しいなあ。 思い起こせば、僕も10年前 テレビの「ワイドABCでーす」の取材で雲南省を訪れている。省都・昆明は人口500万の都会で、高地にあることから マラソン選手の合宿先としても知られる。しかし都会の昆明を離れると、実にのどかな農村がひろがり少数民族が数多く住んでいるのだ。テレビ取材ではこういった村を訪れた。ある村では、遠来の日本からの客へのもてなしだと鶏の丸焼きが供され、赤いとさかを食べてくれと言われる(日本でいう鯛のお頭かな)。何でも好き嫌いなく食べる僕だが、さすがにとさかは食べられなかった。心遣いに応えられずにすみません。また ここでは多くの少女たちにもカメラを向けたが、みんな純真でステキな笑顔で応えてくれたのがとても印象的だった。ああ、この映画を観たら、もう一度雲南に行きたくなったなあ・・・。
10月17日(水) 秋日和 旧北陸線の廃線跡を歩く
きょうはBBC「ぐるっとびわ湖環状線」のロケ日。すんばらしい秋晴れの下、湖北は木之本へ向け出発。JR北陸線は現在、「木之本」から国道8号に沿って「余呉」・「近江塩津」と進んでいるが、昔は別ルートを走っていたのだ。きょうは その旧北陸線の線路跡をたどってみることにする。JR木之本駅を出ると、かつては国道365号に沿って線路が延びていたらしい。まず最初の駅だった中之郷はすぐに見つかった。というのも現・余呉町役場前に旧駅舎の駅名表示板と説明看板が残っていたのだ。昔は余呉町のど真ん中に駅があったんやねえ・・・。いまは余呉湖の前なので、街中からはだいぶはずれるんですなあ。 さらに北陸道と国道365号に沿って進むと、次の駅・柳ケ瀬がバス停として残っていた。北陸線が通っていたときは、いまの倍以上の人々が住んだいたらしいが、廃線とともに引っ越していったらしい。いまは ひっそりとした、なんとものどかな集落となっている。そして そこから5分ほど進むと「雁が坂」というところで、国道365号と県道が分岐する。それを県道のほうに向かうのが廃線跡ルートである。 この県道上に、ウワサの柳ヶ瀬トンネルがあった。かつては単線用のトンネルだったということで、いまは車が交互通行で行き来できるようになっている(人や自転車は専用スペースがないので通行不可)。ひとたび入り口が赤信号になれば、次の青までは6〜7分は待たなくてはならない。では我々も車でトンネル内に進入して行こう。いやあ とにかく左右が狭い。高さもない。運転が大得意の我がディレクターも緊張気味にハンドル握って 徐行運転している。まるで列車の運転台にいるかのような気分が味わえる 不思議な1352mのトンネル。 窓を少し開ければ、ひんやりとした風が 頬をなでる。昔はSLなんで 顔なんか真っ黒になってたんやろなあ・・・。 ここはかつて「魔の柳ヶ瀬越え」といわれたトンネルらしい。中が1000/25という急傾斜になっており、かつては このトンネルの中でSLが登りきれず立ち往生したり、乗務員が窒息するなどの事故も相次いだらしい。そこで新北陸線ルートが計画され、昭和32年に現在の新線に切り替えられたのである。その後も旧線は国鉄 柳ヶ瀬線として残ったが、日本一の赤字線というレッテルを貼られ 7年後の昭和39年に残念ながら廃線となった。 さて我々はできれば このまま廃線跡をたどって敦賀まで行きたいところだが、時間がないので ここらで木之本へ引き返す。木之本へ行けば必ず立ち寄るつるやさんで、名物のサラダパンをゲット。これは このパン屋のおばあちゃんが発案したもので、ロールパンの中に 細かく刻んだおしんこをマヨネーズで和えたものが はいっている。これが抜群に相性がよく旨い。そのあと 地酒「七本槍」でおなじみの老舗の酒蔵富田酒造さんで しばし撮影をさせてもらい、ロケ終了。鉄ちゃんには実に楽しいロケでございました。ただ あまり嬉しくて 写真を撮るのをすっかり忘れておりましたわ。字ばっかりで すみません。
10月11日(木) 秋の吉備路・2日目(倉敷編)
大学2年のとき、親友とふたりで生まれて初めての個人旅行をした(それまでは家族旅行・合宿などしかなかった)。その場所が倉敷だったのだ。その時にこの街の美しさに感動して、のちに岡山の放送局を受験することになるという まさに僕の原点の場所なのだ。美観地区の白壁に蔵のある風景は まったく昔と変わっていない。平日の朝だったので まだ観光客も少なく、ゆっくり想い出に浸ることができた。またあの時 泊まった ホテル・アイビースクエアの中庭にも立ち寄ってみた。足元の埋め込みスピーカーからバロック音楽が流れて驚いたのは、もう30年以上も前になるのか。たしかに街全体が当時よりはかなり観光ナイズされてしまったが、エルグレコの珈琲も大原美術館も堀端の柳も やさしく僕を迎えてくれた。 午後からは乗り鉄取材だ。倉敷と水島コンビナートを結ぶ水島臨海鉄道に乗車する。もともと三菱重工の水島航空機製作所への輸送を目的に戦中の1943年に設立された鉄道だが、1970年 当時の国鉄や倉敷市などの出資により第3セクター鉄道になった。JR倉敷駅に隣接する巨大駐輪場1階のホームから1両の車両が出発。所要24分で水島に到着だ。バブル崩壊後さびしかった水島も、ここへきて重油・自動車などが好調で元気を取り戻しつつある。全国でも珍しい貨物と旅客を併用した臨海鉄道で、かつては貨物主体だったが ここへ来て20分毎の便利なダイヤにするなど徐々に旅客主体に変わりつつある。 そして取材旅行のしめくくりは、やはり懐かしい山陽放送(RSK)の社屋へのごあいさつ。在社わずか1年で読売テレビに転籍してしまったが、本当にお世話になりました。感謝です。また局舎の前から見る旭川と岡山城の眺めは最高でした。ここは新人時代に上司から怒られて、気分を切り替えるのに よくみた景色でもある。いやあ今回 原点復帰の旅にでかけてよかったなあ。随分リフレッシュできたし、原点のみずみずしい感性を少し呼び戻せたような気もする。それにしても秋と吉備路はよく似合うものだと、つくづく思う旅でもあった。
10月10日(水) 秋の吉備路・1日目(高梁・総社編)
取材旅行で岡山へ向かう。最近 新大阪から岡山へ行く時は、必ずこだまを利用している。時間は1時間少々かかるが、普通車でも横に2×2席とゆったりしているし、なんせ 車内がガラスキなのが嬉しい。きょうは半袖でも充分の暑さだが、天気は申し分ない快晴。今回は僕の原点復帰の旅と銘打つことにした。昭和51年(1976年)、アナウンサー生活がスタートしたは、この岡山の山陽放送からだった。そんな31年前の想い出と初心を呼び戻そうというのが、今回の旅の目的である。 まずは岡山から伯備線に乗り換えて備中高梁へ。ここは鎌倉時代より城下町として栄え、市街地にはいまも古い町並みがしっかり残っている。入社直後の研修で、県内各所を部長の車で案内してもらった時に、最も感動した備中の小京都といわれる静かな街である。ここでは頼久寺を訪れた。ここは臨済宗のお寺で、足利尊氏が再興したと伝えられる。愛宕山を借景にした小堀遠州・作の庭園を眺めていると、心がスッーと落ち着いてくる。と同時に新人時代に必死でもがいていた自分が懐かしく思い起こされた。 次に伯備線で総社に戻る。最近 自転車づいている僕はここでレンタサイクルを利用し、秋の吉備路を走ることにする。この総社市から岡山市にかけては自転車専用道(20km)がしっかり整備されていて とても走りやすい。見渡す限りの田んぼの中を、ママチャリは快走する。奈良時代に創建の県内唯一の五重塔(34m)をもつ備中国分寺も、秋の青空に映えてなんとも美しい。また近くのコスモスも満開。約2時間、秋の夕暮れの吉備路サイクリングを満喫した。今回はこの自転車専用道の一部分だけを走ったが、次回はマイ自転車を持ってきて、ぜひ全区間を往復してみよう。さあ今夜は倉敷泊。乙島シャコに渡りカニ、ままかりに下津井のタコなど旨い魚を存分に食うぞ!
10月3日(水) 湖西路でいろんな出会いが
きょうはBBC「ぐるっとびわ湖環状線」のロケ日。 今回は秋の湖西路特集で5本分を撮影。まずはアイルランドとの交流施設として誕生した近江高島の「びれっじ」へ。その2号館にあるパン屋さんを訪ねた。お店は江戸時代に醤油の醸造元だった建物を改装して入居。1921年に神戸で誕生した老舗のセントラル・ベーカリーが、昨年ここに移転してオープン。オーナーの村井さん夫婦は、僕が担当する「ナッツ・メロン・ショー」のヘビーリスナーさんでもあり、パンづくりはご主人、販売とサンドイッチづくりは奥様が担当している。 数多くのパンの中でまず僕の目をひいたのは、このクリームパン。貝のような形が まず懐かしい。パンは皮はサックリ、中はふかふか。そして自家製のカスタード・クリームが実に旨い。これで105円って、コンビニパンより安くてお値打ち。また小麦の味を最大限に生かしたイギリス食パンも好評だし、味噌カツサンドもボリュームがあっておいしそう。お二人の人柄もあいまって、地元で人気の神戸育ちのパン屋さんである。 次はロケの移動中に、旧国道161号の近江今津と新旭の間あたりで 奇妙なレコード店を発見。古民家風の建物に看板がかかり、LP/EP/SPが 在庫10万枚と書かれている。これは面白そうと早速 突撃取材。このアオイレコードさんは、もともとは時計屋さんだったらしいが、少し前にレコード屋に転身したという。しかし、その昔は時計屋がレコードプレイヤーなどの代理店をやり、修理もしていたらしいので、つながりはあったらしい。知らんかったなあ。いまや在庫数の多さに見せられ、県内のみならず全国からレコードマニアが この店を訪ねてくるという。 店内には雑然となつかしいLPレコード、EPレコードがずらり。やっぱりレコードはジャケットを見るのが楽しいなあ。こりゃ一種のアートですよ。(その点、いまのCDは小さくてジャケットもつまらん)。ただこのお店では 歌手別やジャンル別にきっちり分類されていないので、欲しいものを探すのに一苦労する。そして全部が全部 棚に置かれているのではなく、大半のレコードはこんなふうにグリーンのかごの中に雑然と保管されている。ただ これを穿り返すのも、マニアにはたまらない楽しみらしい。一度近くを通ったら、ぜひ覗いてみてください。想い出の懐かしい1枚がきっと見つかりますよ。
10月1日(月) 超特大ケーキがスタジオに・・・
月〜火曜に担当しているFM滋賀の「ナッツ・メロン・ショー」(14〜16時)が、きょうで3年目に突入しました。昼下がりに1970〜80年代の懐かしい曲がたっぷり聞けると、お陰さまで多くのリスナーさんの支持を頂けるようになりました。そしてきょう、本番寸前にびっくらプレゼントが局に届いたのです。南草津にありますパティスリー KITAGAWA さんから,超特大の3周年おめでとうケーキをオーナー自らが運んで下さいました。本番開始早々に箱を開ければ、直径40cmはあると思われるケーキが姿を現しました。スゲー。栗・洋ナシ・イチジク・桃など季節のフルーツもたっぷり。そしてケーキのど真ん中には、マジパンでできた羽川くん人形がいるではありませんか。タキシードに身をつつみ、なにやらVサインを送っているようであります。そしてその表情は とても嬉しそう。いやあ忙しい中、こんな大きなケーキをつくってくれた北川さんに本当に感謝です。ありがとう。ここのケーキはホンマニおいしいから、またみなさんもご贔屓に! そしてリスナーさんからも3周年を祝う、たくさんのメール・FAXもいただきました。ほんとはリスナーのおひとりづつにもケーキをお裾分けしたいところですが、なにぶん生ものですので 僕たちスタッフや関係者でおいしくいただきました。これまで番組を支えてくれたリスナーのみなさん、これからもご支援よろしくお願いします。そして3周年を迎え、来週8日(月・祝日)は番組初のサテスタからの公開生放送。体育の日で休日になりますので、時間あったら大津パルコのサテスタぜひ覗いてくださいね。お待ちしています。
2007年9月>>